2000年8月号

写真・文:後藤修身さん

 朝は紅い僧衣をまとった僧侶の姿と共にやってくる。

 まだ日の昇る前、足早の僧侶の一団と出会った。托鉢に向かう素足の一団だった。僧衣の擦れる音か足音か、サッサッサとかすかな音をたてていた。家々では托鉢僧のために毎朝余分にごはんを炊く。僧侶たちは音もなく家の前にやってきて、何も言わずに去っていく。家のものも無言で食べ物を差し出す。

 それらを見ていて、なぜか気持ち良さを感じた。そこには、「あげる」「もらう」といった感情は介在していなかった。あるのは静な時と祈りであった。

毎朝来る僧侶は決まっている。ヤンゴンにて

漆でできた托鉢用の鉢。
チャウメにて

ようやく空が明るくなり始めた頃、少年僧の一団と出会った。チャバタウンにて

昼食時、托鉢で得た食べ物を手に、食堂に向かう。
アマラプラ、マハーガンダーヨン寺院にて

尼僧の托鉢の場合、炊飯したご飯ではなく、米を渡す

参道で出会った少年僧。まっすぐ前を見つめていた。
チャウメにて

曇ったレンズに紅い僧衣がにじんだ

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