2000年10月号

写真・文:後藤修身さん

 「大学生の頃、好きな女の子がいたんだ」
 僧院近くの大きな木の下でキラサ師が答えた。
 まだ30代の彼はミャンマーの僧侶にしては珍しく英語が達者だ。堕落した僧侶が多くなったと批判する彼。一人で森の中で瞑想することが将来の希望だとも答えた。

 そんな彼についつい俗っぽい質問をしてしまったのだ。いたずらっ子が白状するように、にこっとしながら答えた。そこに、遠くを懐かしむような目をしていると感じたのは、私の錯覚だったのだろうか。

 僧侶と話すときはちょっと身構えていた私だったが、それ以来、気軽に接することができるようになった。村の人たちも僧侶たちに祈るために、そして世間話をして笑うために僧院にやって来ていた。

木陰でいろいろ語ってくれたキラサ師。
アマラプラ、マハーガンダーヨン寺院にて

キラサ師の部屋。
アマラプラ、マハーガンダーヨン寺院にて

ゆっくり歩きながらの瞑想法もある。
ヤンゴンにて

まだ若い僧侶。その後、一般生活に戻ったという。
僧院では来るものは拒まず。去るものも追わない。
バガンにて

霊を追い払うために呼ばれた僧侶たち。ヤンゴンにて

尼僧たちだけの僧院もある。ミッチェにて

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